2009年05月24日

ベトナムと日本の昔話



これは、暇な週末に古い書物から発掘された、大学2年生のときの作文だ。この作文は、初めてベトナム語に翻訳された日本の昔話の本を読んだときの気持ちを記した。一年も経っているが、昨日書いたばかりの作文かのように感じた。

 

ベトナムと日本の昔話

 
以前、日本の昔話を読むたびに、「なんだ、これは?おかしい昔話だなぁ」と自分に言っていた。というのは、それらの話の人物と最後の結末は、私がもう読んだベトナムや他の国の昔話にあまり似ていないと感じるからである。昔話というものは主人公がいつも善人で、最後の結末はいつもその主人公が幸福になるものだと思っていた。つまり、昔話はハッピー・エンディングで幕を下ろすべきだということである。それで、日本の昔話を読んで、ちょっとショックを受けた。


まず、日本の昔話の主人公には優しく親切な人物もいるが、おかしいのもいるということだ。おかしいところは、そういう人物の中には悪い人とか、悪魔とか、悪い鬼とかたくさんいるという。また、その悪魔や悪い鬼やお化けなどの考え方とやり方は人間のようで、想像できないものだったということである。「悪」というのは、悪いことをしてばかりいることではないだろうか?しかし、日本の昔話の中には、その心が悪いはずの人物の中にいいことをする者もいるし、悪いことをして恥ずかしく感じる者もいるし、人間に助けてもらってありがたいと感じ、命を失ってまで感謝の気持ちを表すという者もいる。ベトナムの昔話の中にはそのような人物はあまりいない。ベトナム人にとっては、お化けや悪魔と呼ばれた人物は必ず心が悪いし、悪いことばかりしているので、それらの人物が助けてもらっても、感謝の気持ちなんかぜんぜん持てないと思う。死んでまで報恩することなんかももちろんない。ベトナムの昔話の伝説の人物は普通、不幸な運命を持った者とか、貧乏な生活をしている者とか、非常に親切で優しい者である。その違いは大きなことなので、初めは読者をびっくりさせるだろう。

 

次に、ベトナムと日本の昔話の最後の結末を見ると、他の差異も発見できると思う。ベトナムの昔話はいつも幸せで終わる。いろいろな困難を経験しぬいた後で、善人の主人公は幸福で豊かな生活ができる。そして、悪い鬼のような人物は、いつも神様から懲罰を受けてしまうか、自分の悪い行為で死んでしまう。それに対して、日本の昔話は幸せで終了するということもあるが、一般的ではないようだ。別れる涙や悲しみや主人公の死で終わる昔話がたくさんあるという。子供だったら、必ずベトナム風の幸せな昔話のほうが好きだろう。逆に、大人だったら、日本風の昔話のように深い意味を持って、日常生活での教訓を残す昔話に興味があるだろう。しかし、どんなスタイルでも、面白くてその民族の性格を巧みに表していると思う。

 

「仁・義・礼・知・信」というのはアジアの人が尊敬される5つの代表的な徳であるという。昔話から見ると、ベトナム人と日本人にとっては、一番大事な徳はちょっと違っているかもしれない。ベトナム人は「他人にいいことをすると、必ず幸福なことにあう。逆に、悪いことをすると、最後は神様から懲罰を受ける」ということわざを信じている。そして、ベトナム人はいつも「仁・義」の字に残った字より関心を払っているようである。それらの徳は人間の愛情に属している。それに対して、日本人は「信・義」ということのほうを大切にするだろう。つまり、日本人はいつもできるだけ頑張って、自分への信念を守り、正しいと思ったことに沿って生きるのである。

 

このように、昔話は昔の生活を描いた絵のように思う。もちろん、全部を描いたのではないが、どんな国について調べても、まずその国の昔話を読んでほしい。それはとても豊かで新鮮な知識を含むものであり、一つの国の発展の歴史の欠かせない部分だと思う。

posted by ノラ猫 at 05:17| ハノイ | Comment(2) | 作文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここからあの「きつね」の話ができたんですね。
フォンさんの歴史が見えるようです。
「泣いた赤鬼」も深いですよ。
http://mongolia.seesaa.net/article/78794947.html
Posted by 村上吉文 at 2009年05月25日 19:59
この作文を書くために、日本の昔話をネットで探して、読みました。「はち助いなり」という狐についての話を発見しました。「鶴の恩返し」と同じモティーフでしたね。でも、その狐の恩返しは何となく関心を引き付けました。たぶん、最後のシーンが濃い印象を残したからでしょう。

「(殿様が)見つけたのは大事な手紙の入った箱を抱えたまま死んでいる真っ白な狐でした...」
Posted by フオン at 2009年05月26日 03:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。